2024.12.29
Ferrol → Pontedeume
29.2km
本日の軌跡はこちらです。
左上に標高も出ているので、アップダウンがだいたいわかるかと思います。
まずは朝食です。
昨日チェックインするときに、朝食はいるかと聞かれ、何時からか聞いたら7時とのこと!
これはパラドールでは大変珍しいと思います。
スペインのホテルの朝食時間は遅いのです。
(だって夕食が遅いもんね。そんな早くから食べられるはずがない)
あるホテルでは朝食の時間を尋ねたときに、「9時からよ。ちょっと早すぎるかしら」と言われたことがある。
7時はまだ真っ暗だし、パラドールの朝食は大好きだし、がっつり食べてから出発することにしました。
ちなみにビュッフェはもっとたくさん色んなものがあります。
パンやペストリーの種類も多いし、シリアルもジュースなどの飲み物も充実しています。
スペインのコーヒーはとても美味しい。
南米を征服した歴史があるから、と聞いたことがありますが、本当かどうかはわかりません。
スペインでは大抵コーヒーは café con leche カフェ・コン・レチェ (カフェラテのような感じ)で飲みます。
このポット、5杯分くらいのコーヒーとミルクが入ってたよ・・・
やったね! ここはガリシアだからか、エンパナーダ(ガリシア名物の具の入ったパイのようなもの)もある!
それでも以前に比べたら、全然食べられなくなってしまったわたし。
さすがに手術後だし、胃の動きも悪いようです。
せっかくのパラドールの朝食なのに・・・と、ちょっと残念な気持ちで出発です。
イギリス人の道の始点は、港のそば。
パラドールはそこから500mの場所にあります。
つまり、始点から歩き始めようとすると、往復1km分が追加になる・・・
せっかく始点から歩き始められるイギリス人の道なので、ちゃんと最初から歩いてみたくて。
この怖いとんがり頭の人は、本当は怖くない。
Semana Santa (復活節)の時に、こういう格好で町を練り歩いたりする習慣があります。
大きな町を出るときは、けっこう道に迷ったりします。
矢印の表示が少なかったり、普通に都会なので、「カミーノ」 を見つけにくいのです。
でもフェロールはさすがガリシアの町。
Santiago de Compostela を擁するガリシア州は、カミーノにかなりの予算をつけているのです。
パラドールを出たときはジャンパーを着ていたのですが、暑くなって、昨日楽しんだ広場でジャンパーを脱ぎました。
冬のガリシアは寒いと思っていたけど (昔ガリシアに冬に来たときはめっちゃ寒かったんだけど)、海の近くはそうでもないのでしょうか。
とにかく暑くて、
街中を歩いていたら、ちゃば(娘)から電話。
ちゃば、なんと体調を崩していました・・・。熱もあるし、喉が痛くて声があまり出ない状態とのこと。
母親として、カミーノを楽しんでいて良いのだろうか・・・中止して今すぐちゃばのところに行った方がいいのでは・・・
とかいろいろ考えましたが、ちゃばが派遣されている留学団体の決まりで、5月までは家族と会うのは禁止されています。
まだ15歳、家族に会ったらとたんに緊張の糸が切れて、帰りたくなってしまうかもしれないものね。
だから今回はちゃばの住む町には行かないことになっています。
同じスペイン国内にいるのに会わないって、なんだか不思議。
でも、久しぶりの時差なし電話を楽しめるんだなと、これまた不思議な感覚を味わいました。
このあたりはカミーノという風情はなし。
完全に遊歩道で、地元の人たちが朝の散歩やジョギングを楽しんでいました。
たまに 「Buen camino!」 と声をかけてくれるので、「Buen dia!」とお返事。
巡礼者同士だったらブエン・カミーノ! と言い合えば良いのですが、地元の人にはブエン・カミーノ! は言えません。
それでも、声をかけてもらうだけで元気が出るものです(*^^*)
もちろん閉まっているので、素通りです。
つい先ほどまで造船や海軍の施設ばかりだったのに、だいぶ湾の内側に入ってきたということですね。
黄色い矢印の下に Km107.393 と書かれているのは、Santiago de Compostela までの距離です。
小数点以下3桁もいらないんだけど(;^ω^)
わかりにくい場所に、後から書いてくれているのだと思います。
このそっけない矢印にはだいぶ助けられます(*^-^*)
ところが道はいろいろなシーンを用意してくれています。
ここもどうせ閉まっているだろうな、と通り過ぎようとして振り返ったら、扉が開いてた!!!!
喜んで扉の方に行ったら、庭にいたおばちゃんが 「今行くから待って~!」 と、急いでこちらに来てくれました。
どこから来たの? スペイン語上手ね! などなど、弾丸トークになってしまい、いろいろと話しました。
そして、ここでもまたこの質問。
「今日来た巡礼者は何人いますか?」
だけど、おばちゃんは昨日の巡礼者案内所のおばちゃんと同じように、「いるわよ! 」と。
わたしは今朝、けっこうゆっくり出発したため、他に巡礼者がいるならすでにここに立ち寄っているはず。
なのにおばちゃんが記録したノートの今日の日付のところにはハポン(日本)としか書いてない。
え・・・そのノート、わたしのことしか書いてないですよね? って聞いても、
「少ないけど、いるから!」 って。笑
・・・いないのかもしれない。
今日は誰もいないって、わたしがかわいそうで言えないだけなのかもしれない。
すごいなぁ。
こんなにちゃんと残っているのは本当に素晴らしい。
もしかしたら今日このEtapa(ステージ)を歩いているのは、わたしだけなのかもしれないな・・・
と思いながら、この湾で見つけたものというホタテ貝をもらって教会を後にしました。
だけど、この橋はもちろん最近架けられたもので。
中世の巡礼者は橋なんか無かったから、湾をぐるりと歩いたわけです。
「本物」の巡礼とは・・・と考えながら、もちろん橋は渡らず黙々と歩き続けます。
現代のカミーノは、代替ルートが用意されている箇所が多いのです。
この地図を見てもよくわからなかったので、距離が明記されている左に行くことにしました。
後からわかったのですが、左はルートを少しショートカットしたようです。
ついに湾の最深部へと到達しつつあります。
Narónのこの文字を通過したということは、先ほどの左右を示すモホンで左を選択したこと、間違ってはいなかったようです。
このあたりはNedaという町です。
散歩する地元民もたくさん。
わたしのことをNedaに宿泊すると勘違いしたおじいちゃんが 「そっちじゃないよ!」 と声をかけてくれたりしました。
「今日はどこに泊まるの?」 と聞かれ、ポンテデウメですと答えたらびっくりされた・・・あれ? 普通はNedaに泊まるのかな・・・。
別にコーヒーが飲みたいわけではなかったけれど、バル休憩は大事なトイレ休憩でもあります。
バルがあったら入っておく、というのがカミーノの鉄則(`・ω・´)ゞ
ガリシアはパンが美味しいことで有名です。
マドリッドにもオシャレなガリシアパンのお店がたくさんあり、たまに新聞の「美味しいパン特集」なんかで紹介されています。
ここNedaは、そのガリシアの中でも有名なパンのおいしい町なんだそうです。
この日は日曜日だったため、このお店しか見つけられませんでしたが、ぜひお立ち寄りを!
ちなみにわたしはmilhojas ミルオハス(ミルフィーユ)と、Biscocho de Naranja(オレンジケーキ)を購入。
巨大なバゲットは買う気になれなかった(;^ω^)
ほんとはガリシアパンと言えば、あの茶色い大きいパンなのよね(;^ω^)
ガリシア州を歩いていると、こういう公共の洗い場がたくさんあります。
こういう場所の水はスルーしていたのですが、地元の人が車を乗りつけて水をくみに来ていたのを見て、ペットボトルに水を補充しました。
途中の町、Fene に到着です。
スペインでは一杯頼むと何かつまむものが一緒に出てきます。
歩いているのにビールかよって感じですが、昼を過ぎたらアルコールOKというマイルールを制定しております。笑
そして忘れちゃいけません。こうして立ち寄ったバルでは、必ずクレデンシャルにスタンプを押してもらいます(*^^*)
1日目はこうしてベンチがたくさんありました。
疲れていなかったので座りませんでしたが、フランス人の道の経験上、ベンチというのは大変にありがたいもの。
この先、サンティアゴが近づくにつれて、ベンチが少なくなっていきます・・・
こういうアクセスの悪い場所に、ボランティアで水やフルーツを置いてくれている人がいるわけです。
本当にありがたい。
特にこの日は日曜日。この先、水が買えるスーパーや商店はないだろうと、2ユーロ入れて水をいただきました。
寄付制の補給所からものをいただくときは、市場価格よりもだいぶ多めに寄付することにしています(*^▽^*)
この橋桁は昨日空港からフェロールに向かうときに通った高速道路です。
歩くって、車や電車が常識の現代人にとっては、かなり歯がゆい。
でも歩いている間って哲学的な思考になるし、高速で移動しているときには見えないものが見えたり、よく考えると贅沢な時間を過ごしているわけです。
ここは地図がわかりやすかった。
右に行くと → 距離は短いけど、幹線道路を渡るときに危険なポイントがある。
左に行くと → 距離は増えるけど、幹線道路をくぐって安全に歩くことができる。ということみたい。
距離が全然違うから、ここは右に行くしかない。
見えてきたのは Pontedeume にちがいない! ぼっちだというのに自然と笑顔になる!
フランス人の道では 「見えてからが長い」 という教訓を得たのですが(;’∀’)
目的地が見えてくると、とたんに元気になれます。
Pontedeume という町の名前は、Ponte de Eume エウメ川に架かる橋、という意味です。
Ponte de Pedra (石の橋という意味) が、この橋の正式名称。
ポンテデウメはとても古い町。
観光を楽しむために、立地の良いオスタルを予約してありました。
初日から30km歩くのはどうかな、、と不安もあったのですが、疲れはしたものの普通に到着できました!
今日は途中、たくさんの優しい人が声をかけてくれました。
立ち止まってルートを確認していると、「カミーノはこっちだよ。木があるから、そこを左に行って・・・」と、信号待ちしていた信号がまた赤になっちゃうのに丁寧に説明してくれたおじいちゃん。
すれ違ったときに、「この町でランチするならとっても美味しいハンバーガーのお店があるわよ」」と声をかけてくれた素敵なセニョーラ。
数えきれない人に声をかけてもらいました。
スペインの人って、ぱっと見そっけないのですが、本当に優しい人が多い。
見ず知らずの異国(しかもアジア人)のわたしに親切に声をかけてくれるって、日本では考えられない。
カトリックの国だなぁと思います。
まずは初日のカミーノを感謝とともに終えることができました。
オスタルに荷物を置いて、すぐに観光です!
Pontedeume観光については、次の記事で。