2025.4.28
アルベルゲに着いたら、外で男性が待っていました。
「オレ、オレだよ! Julio! 今日ここに泊まるんだよね?」
と、オレオレ詐欺かなってくらいの自己紹介をしてきたのは、このアルベルゲのオーナーJulioでした。
どうもわたしが今日最初に到着した巡礼者らしい。
そうです、予約してあるRyokoです。
と言ったら、
「Ryoko! キミだね! 待ってた。 ひどいことになったね」 と。
どうしたんだろ、この人ほんとにJulioかな? って苦笑いしながらも、アルベルゲに招き入れられました。
真っ暗な階段を携帯のライトで照らしながら、2階に行きました。
真っ暗な中 「ここで靴脱いで!」 と言われ、手探りで脱ぎ、照らされた靴ラックに靴を置く。
通されたサロンのような場所は、かろうじて窓からの採光でJulioの顔も見えました。
そこで話を聞くと、 「ヨーロッパ全体で停電になっている。 なんで知らないの!?」 とのこと。
え・・・・・・
さっき寄ったバルは大丈夫だったよ? って、驚きました。
あぁ・・・でも今日のバル休憩は一度だけ。 あの時はまだ大丈夫だったんだ・・・。

わたしのベッドはこの上の段とのこと。


なんと、ネット回線も使えなくなっているらしい。
このPINコードをWhat’sappで送ってくれようとしたJulioが、「ああ、送れないんだった。この画面写真に撮って!」
というので、撮った写真。
なんということでしょう。
暗いくらいなら耐えられますが、ネット回線まで使えなくなっているとは。
シャワー浴びたかったけど真っ暗だし、「お湯が出るかもわからない」 とJulioに言われたため、完全に吹っ切れました。
とりあえず荷物を置いて、そのままランチに出かけます。
手探りで靴を履き、摺り足で階段を降りる。 真っ暗闇のアルベルゲから出るだけでも大変でした。
停電のニュースを知った上で街の人々を見ると、たしかにソワソワしてるしスーパーもあらゆる店もクローズしてる。
そこかしこから「no funciona」と聞こえてくる。
これは大変なことになったな・・・。

用意できる料理は3種類だけ、と言われたけど、食べ物出してくれるだけでありがたい!
完全に閉めてる店も多い中で、こんなにちゃんとした食事ができたのはラッキーでした。

セニョーラは 「こんな状況でどう食べたらいいっていうのよ!」 と言っていました(;´∀`)
そりゃそうよね。
わたしはただの巡礼者だけど、ここで暮らしている人たちはもっと大変な思いをしているはず。

そうなのです。 停電までは冷えていたはずの冷蔵庫が、今は稼働していない。
だからこの時間に食事に来られたことはラッキーだったとしか言いようがない。

こんな大惨事の中で優雅に食事をできたこと、今となってはめちゃくちゃラッキーだったとわかります。
マドリッドの友人はもっと大混乱の中にいたので。 (職場から7時間かけて家に歩いて帰ったんだって・・・)
Bar Estrella
タコはものすごく美味しかったし、ワインも素晴らしい。
なによりも、この大惨事で普通に営業していたこと自体、ブラボーです。
ぜひぜひ、行ってみてください。テラサはとても雰囲気がいいです。
食べ終わり、なんだかソワソワしながらも、街歩きをすることに。
だって、ポンテヴェドラはこのポルトガル人の道で一番楽しみにしていた町なのです。



昨日の日曜日は営業している店が少なくて大変でしたが、 今日は月曜日。
月曜日は博物館美術館系はどこもクローズで見学できずです(ノД`)・゜・。


ここに行ったらわたしが午後のオープン最初の客だった。
もうすさまじい勢いで停電のことを語られて(゚∀゚)
「12:30まではAyuntamientoにメールしたり、普通にしていたのよ! なのにどうしたのよこれ!! メールどころか仕事にならないわよ!! ヨーロッパ全体だっていうんだからもう仕方ないけどね!!」
・・・スペインってほんと楽しいわ(*’▽’)
とりあえず今日見れるところを聞いて、このあとは地図片手に散歩です。(googleマップが使えなかったからね)


でもここで夜にミサに与れそうです。
ミサの時間だけチェックしておきました。


ここではクレデンシャルにスタンプを押してもらいました。
こちらから言わないと案内してくれないけど、「Torreに登れますか?」と聞くと、1ユーロを支払って登ることができます。




ここはぜひ登ってみてください。
「Puedo subir? プエド・スビール?」 と、スタンプ押してくれる人に言えば大丈夫です。

この修道院をどうしても見学したかったんだけど、ダメだった・・・
さて、先ほど観光案内所で聞いてきた「必見観光スポット」はこれで終了。
あとは「余裕があったら行ってみてね」という場所しか残っていないので、そぞろ歩きます。
・・・と、その時!
町じゅう真っ暗闇、 営業している店もほとんどない中に、いきなり電気がピカピカのFroiz(スーパー)が!!!

なんでこの店は普通に営業してるの!?
めっちゃびっくりして、とりあえず入りました。
ここで買い物をしなければ・・・!
いつまで停電が続くかわからないんだから、何か買っておかなくては・・・!!
って、買い物する気満々になったんだけど、よく考えるとわたしは巡礼者なのでした。
え・・・・・・
買った方がいいの?
荷物になるから買わない方がいいの?
わたしはどうしたらいいんだ・・・・・・
で、結局、水とビールとリンゴとトマトを買いました。
もしすぐに停電が復旧して持ち歩くことになっても大したことのない重さになるように、、、
本当はもっともっと買い占めたくなってしまいましたが、買うのはそれだけにしておきました。
ここでも人生について思いを巡らせることになりました。
モノを持つことは、それだけ枷をおうことになるんだよね。
人生に付随するいろんなものを軽くすることで、実はより楽に生きられるのではないかと・・・。
ま、とにかく、ここでクレジットカードで買い物ができたことは、本当に本当にラッキーでした。
マドリッドの友人はクレジットカードが使えなくて現金での支払いしかできなかったと言っていたので。

ここももちろん開いていない。

観光案内所で聞いて 「そんな遠くまでは行かないかな」 と思った散歩道を歩いてみることに。
川を渡ります。
むこうに見えてる橋は、明日の朝ポンテべドラを出発するときに渡る橋。
ピレネー山中に泊まった日にイタリアの友人と「私たちまだ歩き足りないのかしらね」って笑い合ったことを思い出しました(;^ω^)
この散歩は、まあしなくてもよかったかなっていう感じではありましたが。
お昼ご飯をばっちり食べたこともあり、腹ごなしにはちょうどよかったです。


下部にアダムとイブが。 旧約が表されてるの珍しいな。
これで一度アルベルゲに戻ります。
アルベルゲに戻り、暗がりの階段を上って部屋にたどり着くと、Julioにばったり。
「Ryoko!! みんなを誘って飲んでるんだよ」 とテラスに招いてくれました。
(この憶えにくいであろう東洋人の名前を憶えていてくれたことに感動しました)

大量のクラフトビールとワイン!!!!!
飲みまくって喋りまくって、楽しすぎる時間を過ごしました。
電気のないアルベルゲ滞在が、これでスペシャルなものになりました。
Julio(白いシャツの人)すばらしい!!
誘われたとき、ちょっとめんどくさい・・・と思ってしまったわたし。
でも、言われるまま参加して本当によかった!!
これさー、停電ずっと続いたらどうする? って誰かが言ったら、Julioが
「それはめっちゃ大変なことになるよ! 全員Borracho(よっぱらい)になっちゃうじゃないか!!」 って言ってて本当におかしかった(*^▽^*)
話していたら、Julioがこそっと 「そろそろミサが始まるよ」 と教えてくれて、わたしだけミサに行くことにしました。

Julioに「右に曲がって、その次を右に曲がったら教会に行けるから」 と言われて、その通りに来たらこの教会だったw




教会の外で神父様にばったり会ったので 「わたしは巡礼者です。ミサに与れてよかったです」的なことを言ったんだけど、なんだかイマイチな対応だった。 本当に神父の資質によりけりなのよねー。
オ・ポリーニョの素晴らしい神父様とつい比べてしまった💦

アルベルゲに戻り、またテラサのみんなに加わったのですが、夜も更けてきたので・・・

ここでロウソクとともに飲みました。
なんとスペイン人はJulioだけ。
ポルトガル、ブラジル、オランダ、イタリア、アメリカ、イギリス、日本。
けっこうポルトガル語が優勢だったなー。楽しかった!
ほんとはポンテべドラにはパラドール(スペイン国営ホテル)があって、昔から行ってみたいと思ってたんだけど…bookingですごく評価の高いアルベルゲがあったので、こちらに決めたのです。ほんの3日前まで迷ってました。
でもこのアルベルゲに泊まることにして、本当によかった!!!
忘れられない、カミーノのキラキラした思い出のひとつになりました。
本日の宿
Hostel Charino
ポンテヴェドラのアルベルゲは絶対ここです!!!
他のアルベルゲに泊まっている宿泊者も遊びに来るほどのすばらしさです。
オーナーのJulioも、そのお母さんも、最高です(*^▽^*)